備忘録以上記憶未満の何か

さて当ブログはゆるふわ旅行記日常ブログです。テーマは、描写的には「放浪と趣味」、内容的には「洒洒落落」です。

平成31年春 九州離島旅【4.五島久賀島編】

どうもりゃなんです。連続執筆の新記録、シリーズ4回目です。めでたいめでたい。

さて前回の最後でフェリーに乗り込み、今回からは待ちに待った五島旅が始まります。最初は久賀(ひさか)島編です。“くがじま”でも“ひさがじま”でもありません、“ひさかじま”です。

旅行記に入るその前に。五島列島とは言っても地図で何となく見たことしかない人が多そうなので、まず五島についての基本的な説明を脚注に載せておきます。よく知らない人は軽く読んでから旅行記に入るのを推奨。本当は本文に入れるつもりだったんだけど、ちょっと長すぎて脚注行きになっちゃいました。説明はこちら→*1

説明を読んでいた皆さんおかえりなさい、それでは本題の旅行記をどうぞ

5日目<3月11日> 五島久賀島

五島行きフェリーは博多港を夜の23時45分に出港、フェリー内も消灯し揺れるフェリーの中で就寝。

朝気が付くと

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既に五島の海。現在地は中通島若松島の間の若松瀬戸という海峡です。

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それでこの橋が若松大橋、五島で数少ない島を結ぶ橋。たぶん2回後のブログに再登場します。写真をよく見たらトラックが渡ってるね。
橋をくぐってしばらくすると

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朝日もご登場しました。てるてる坊主作ってきて本当に良かった、頼むから離島にいる間は晴らしてくれよ。

そうして出港してから8時間半経った朝の8時過ぎ。ついに

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五島到着!

福江島福江港に到着しました。えらいとこまで来てしまった。

さて題名にもある通り今回は久賀島編、福江港で別の船に乗り継いで久賀島を目指します。久賀島行きの船は乗船券がなく、乗ってから船内で運賃を払うアナログ方式。その船がこの旅客船シーガル」です。

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いや派手な色やなお前。

山辺りで電車に乗ったらよく見る色だよこれ。てかなんか後ろにも真っピンクの船がいますね、個性が強い船が多いな福江港ちなみにシーガルの乗船扉は引き戸です。押しても引いても開かなくて奮闘してたら、乗ってたおばちゃんが爆笑しながら開けてくれました。ギャグマンガかよ。

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小さいながらも力強い航海を見せ、福江港からたった20分で久賀島の田の浦港到着。

今からレンタカーで久賀島を回るわけですが、この島の説明を軽くしておきますね。軽くです、軽く。

これが久賀島。馬の蹄というかU字型というか、そんな形をした島で、内側の湾沿いには平地があるので農業が、海に面した外側では漁業がメイン。人口は300人ほどなんですが、実はこの島、まるごと全体が「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成要素として世界文化遺産に登録されています。江戸時代の頃に長崎から潜伏キリシタンが移住してきて隠れて信仰を続けていたんだそう。

ちなみに蒼の彼方のフォーリズムという(男性用)ゲーム/アニメのモデルにもなっていて、

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形はそのままで名前もなんか似た感じ。船が着いた田の浦港は場所はそのまま(島の左下)“畑の浦港”になってますね。

しかし国内のアニメ聖地巡礼の中ではアクセスが一番悪いといっても過言ではない。まあゲームの設定よりも現実のほうが数段田舎なので商店街とか学院とかは実際はないんですよね、あくまでモデル。

さあ説明も済んだところでそれじゃ島回っていきましょうか。今回のお供はこの車

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一人乗り電気自動車「コムス」さん。大崎上島で乗ったアイツ(3回前のブログ参照)とは違いますよ、あっちは日産でこっちはトヨタ。ちなみになんかキャンペーンやってて1日500円でレンタルできました。一人旅に優しい島だ……。

このマイクロカーで最初に目指したのは

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逆光でわかりにくいですが、これが五輪集落。この集落、なんといまだに車道が通じていないので駐車場から山道を片道15分ほど歩くか、いっそ海上タクシーで海から行くしかありません。場所を上のあおかなMAPで表すと、島の右側に古そうな建物が書いてますね、あそこです。

この古そうな建物にはモデルがあって、それがこの

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旧五輪教会堂、もちろん世界遺産です。明治14年に別の場所に建てられ昭和の初めに移築された教会で、国の重要文化財にも指定されています。ステンドグラス越しに港が見える、小さいながらも心落ち着く木造の教会です。

あ、教会内は原則撮影禁止なのでブログではこれ以降も中の写真はありません。信仰の場だもの、そりゃそう。

五輪地区から次の目的地に向かう途中で雰囲気の良さそうな集落があったので寄ってみました。

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ここは“蕨”という集落、あおかなMAPで表すと島の右上の錨マークのところ。狭い路地に木造家屋が立ち並ぶ、これこそ港町という風景。上から見るとこんな感じ。

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ちなみに左奥手前に見えている島は、日本で一番小さい有人島と言われる蕨小島Wikipediaさん曰く面積0.03㎢に住人は9人、全員苗字は「小島」でカトリック教徒らしい。日本にもまだまだ知らない世界があるもんだ。

話を蕨集落に戻して、町歩きしてたら集落の外れにある建物を見つけました。

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ちょうど10年前に閉校した小中学校の廃校舎。鍵がかかっていなかったので中に入ったら

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こういうの見るとちょっとしみじみとするのん……。この黒板の文字が書かれてからもうたぶん10年、最後の生徒たちはまだ島に残ってるんだろうか。にゃんぱすー

廃校を後にして、次の目的地は折紙展望台という山の上の展望台。マイクロカーに鞭を打ち急坂を上っていくと

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こりゃあよく見える。下に見えるのはさっきの蕨集落と蕨小島、奥に見えるのは隣の奈留島、もっと奥の右の方に見えるのが椛島かな。

山を下り、島で一番大きな集落の久賀地区(島唯一の小中学校があり、レンタカー屋もここにある)に戻ってきました。あおかなMAPでは島の真ん中のパフェのマークが書いてある辺り。そこで見たのがこの光景

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島が教会だらけなので忘れてたんですけど、そういやここ日本でしたね。かなり立派な神社があったのでびっくりしました。

U字型の久賀島の内側にはそこそこ広い平地があり農業が行えたので昔から仏教徒が住んでおり、江戸時代に新しくやってきたキリシタンは土地が狭いが隠れやすい海側の小さな入り江(例:五輪)に住んで共生していたってことなんですかね。

さてこの次に向かう集落も隠れキリシタンの集落です。この看板の一番下の

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細石流に行きます。

細石流です細石流

“ほそいしながれ”でも“ほそせきりゅう”でもないです。この地名、“ざざれ”と読みます。ザザレ、なんか敵モンスターでいそうな名前ですね。場所はU字型の島の一番左上(北西)、つまり島の中で一番風も波も強いところです。

久賀地区から普通の4輪だとあまり通りたくないような細い林道を20分走り続け、道が途絶えたところに細石流の集落はありました。

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これが細石流の海です。海岸線が荒々しすぎる。よくこんなところに集落作ったよな……と思いながら防波堤で海を眺めていたら、ちょうど

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おじさんが漁から帰ってきたのでちょっとお話。このおじさんは福江の方から移住してきたらしい。こんな集落に移住しての生活、大変そうだけどすごく憧れるなぁ……。「ここいいとこやろ?」って言うおじさんはすごくいい顔してて、イエスと答えるしかなかった。

ちなみに細石流の港から険しい山道を30分ほど登ると集落跡地と教会跡地と墓地があります。40年以上前に集団移転で廃村になったそう。時間がなくて行けませんでしたが……。

さあレンタカーを返す時間が近づいてきました。ここからは島の風景をハイライトでお伝えします。

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ここは蕨の集落の中にあった簡易郵便局、猫ちゃんがお出迎えしてくれました。だけど郵便局って本当に全国津々浦々どこまで行ってもありますね。

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折紙展望台の近くには椿がいっぱい。実は五島は椿の名所で、福江空港の愛称はそのまま五島つばき空港久賀島でも島のいろんなところで咲いてました。

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日本離れした景観を誇る五島の中で、久賀島のU字の内側はびっくりするほど日本的。棚田があり田んぼのふちに菜の花が咲いてる光景は、ここが日本なことを思い出させてくれますね。

さて時間が来てしまったのでレンタカーを返しましょうか。

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この子がレンタカー屋の看板犬、めっちゃせわしなくてキャンキャン吠えられちゃった。ひげ面のおじさん来たらそりゃびっくりするよね。

ちなみに久賀島にはレンタカー屋がこの久賀島レンタカー1軒だけ、車も軽が3台にコムス(今日使ったやつ)が1台、電動の原付が1台です。歩いて回るには大きすぎるので車を借りる場合は早めの予約を、そうじゃなければタクシー借りるかツアーに申し込むかしましょう。タクシーはレンタカー屋がやってます。

hisakajimarentacar.amebaownd.com

車を返した後で1か所行きそびれたことに気付いたので、船着場行きの乗り合いタクシーを途中で下ろしてもらうことに。

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ここは船が着く田の浦港近くの浜脇教会。昔移築される前の五輪教会堂があったところで、久賀島の信仰の中心です。

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ちっちゃい集落それは立派な教会のある光景、これが長崎、これが五島なんですよね。この時は珍しい風景だなと思ったんですけど、この後五島や長崎に10日くらい滞在したせいで完全に慣れてしまいました。それくらい日常的であるからこそ価値のある景観。

さあそろそろ帰りの船の時間です。行きの客船とは違い、帰りはフェリーらしい。名前は「フェリーひさか」、どんな船なんだろう。

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真っピンク

お前朝の福江港でシーガルの後ろにおったあいつやん、あいつ。シーガルといいフェリーひさかといいお前らツッコミ待ちかいな、久賀島の船は本当にクセが強い

そんな風に一通りツッコミを済ませたところで

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さようなら久賀島

小さいけど景色もよくて見どころも多い良い島でした。写真右端に見えているのがさっき行った浜脇教会、白亜の壁と海の対比が美しいですね。こう見るとやっぱり教会は島民町民のシンボル的存在だと感じざるをえない。

久賀島を離れたところでキリが良いので今回はここまで。今回は説明が多くなりすいませんでした。

久賀島に行きたくなった方、公共交通機関福江島からの旅客船とフェリー合わせて1日6往復のみ、ツアー参加海上タクシーという手もあります。アクセスはめちゃくちゃ悪いですが是非行ってみてください。まず五島まで行くのが大変。

次回は船で戻って五島福江島編、五島列島最大の島を回ります。乞うご期待。

それでは

 

今回の旅の記事一覧です。

平成31年春 九州離島旅【1.竹原/忠海編】

平成31年春 九州離島旅【2.大崎上島編】

平成31年春 九州離島旅【3.山口/福岡編】

平成31年春 九州離島旅【4.五島久賀島編】

平成31年春 九州離島旅【5.五島福江島編】

平成31年春 九州離島旅【6.上五島編】

*1:長崎県に属する五島列島

長崎市の西およそ100キロの海上にあり、北から

の5島とそれに付随する宇久島小値賀島椛島などの大小140ほどの島が連なって形成されています。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/27/Goto_Islands_Nagasaki_Ja.svg/800px-Goto_Islands_Nagasaki_Ja.svg.png

五島列島 - Wikipedia

上の絵図はWikipediaから引っ張ってきたものなんですが、この色分けは所属している市町村によるもので、紫が五島市、青が新上五島町、緑が小値賀町、黄色が佐世保市(旧宇久町)となっています。

地域としてもこの様に分かれており、人口も面積も最大で江戸時代には福江藩も置かれた福江島を中心とする現五島市域を下五島と呼ぶのに対し、人口も面積も第2位の中通島中通島と橋で繋がっている若松島から主に成る現新上五島町域を上五島と呼びます。

公共交通が貧弱で車社会なのに島と島との架橋が進んでいないので、福江と上五島上五島と小値賀のような別の島同士の繋がりはそこまで深くなく、「長崎にはよく行くけど隣の島にはあまり行かない」というような人が多かったです。

交通面では福江島には福江空港があり福岡空港長崎空港に毎日3,4往復のフライトがあるのですが、他の島には空路はありません(上五島小値賀島には空港はあるが休止状態)。

そうなるとやはり海路で向かうのがメイン。福江島には長崎からのジェットフォイルやフェリーが1日計6,7便設定されており、また上五島には長崎や佐世保からの船便がこちらも1日計6,7便ほど。佐世保から小値賀島宇久島に向かう船便も1日3便ほど設定されている他、博多港から宇久島小値賀島中通島奈留島を通って福江島に向かうフェリーも毎日1往復あります。

文化としては江戸期には潜伏キリシタンが多く住んでいたとされ、そのため今でも列島の至る所にカトリック教会が。去年2018年に世界文化遺産に登録された長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産にも五島列島の集落・協会がいくつも登録されています。

上五島に関する基本的な説明でした。律儀に読んでくださった方、長くなりすいません、一番上までレッツゴーバック